冬になると不調が増える「本当の理由」とは?

11月下旬に入り、朝晩の寒さが一段と強くなってきました。この時期になると、肩こり・頭痛・倦怠感・自律神経の乱れなど、慢性的な不調が増えたと感じる方が多くなります。

一般的には「冷え」「血行不良」「気温差」といった理由が挙げられますが、AST気功ではもう一歩深い原因として、体が寒さに反応して無意識に力を入れ続けてしまう“緊張の蓄積”に着目します。

この“無意識の緊張”は自分ではほとんど気づけませんが、日々積み重なることで、冬の不調を大きく悪化させる要因になります。

身体の深層で起きている「無意識の緊張」とは?

寒くなると私たちの身体は、体温を逃がさないために筋肉を細かく収縮させます。これは生命を守るために必要な反応ですが、その反応が長時間続くと、身体の奥に硬さのクセが生まれます。

特に影響を受けやすい部位は以下の通りです。

  • 首まわり(冷たい空気を防ごうと縮こまる)
  • 肩まわり(筋肉が防御反応で持続的に収縮する)
  • 胸まわり(呼吸が浅くなり肋間筋がこわばる)
  • 腰まわり(体幹が固まり姿勢が崩れやすくなる)

このような「深い層の緊張」は、表面のマッサージではなかなか抜けません。
そしてこの深層の硬さは体のバランスを崩し、最終的に

  • 呼吸が浅くなる
  • 血流が低下する
  • 自律神経が乱れる
  • 肩・首・腰に重さが出る
  • 睡眠の質が低下する

といった不調につながっていきます。

AST気功では、こうした目に見えない「深層の緊張」にアプローチすることで、身体全体の巡りを整えるという考え方があります。

冬は“力を抜けない季節” ― 頭が先に疲れてしまう理由

意外かもしれませんが、冬に最も疲れやすいのは身体よりも脳です。

理由はシンプルで、身体が無意識に緊張していると、脳はそれを常に監視し続け、調整を行う必要があるためです。
つまり、何もしていなくても脳は常に働き続けている状態
これが続くと、

  • 理由のわからない疲労感
  • 集中力の低下
  • 気持ちが落ち着かない
  • 眠りが浅い

といった「脳疲労」のサインとして現れます。

AST気功で大切にしているのは、身体の硬さをゆるめるだけでなく、この脳の負担を軽減する“全身の連動性”を戻すこと

体の連動性が戻ると冬の不調は大きく軽減する

身体がゆるむとは、単に筋肉が柔らかくなるという意味ではありません。重要なのは、筋肉・関節・膜・神経がスムーズにつながる状態に戻ること
この「連動」が回復すると、

  • 呼吸が深くなる
  • 身体が軽く感じる
  • 血流が自然に巡る
  • 頭がスッと冴える
  • 気持ちが落ち着く

といった変化が現れます。

これはAST気功の施術でも非常に重視されているポイントで、身体の一部だけではなく、「全体のつながりを整える」という視点が冬の不調対策として特に有効です。

家庭でできる“冬の緊張を抜く習慣”

AST気功そのものは専門の施術ですが、日常の中で身体の負担を減らすための「緊張をためない習慣」は家庭でも取り入れることができます。

以下は、冬に特に効果が高い習慣です。

1. 肩を上げてストンと落とす「脱力リセット」

寒いと肩がすくみがちになるため、意識的に肩をふわっと脱力することが大切です。
肩を軽く持ち上げて5秒キープし、息を吐きながら一気にストンと落とします。これだけで首・肩の緊張が軽減します。

2. みぞおちをやわらかくする「ゆったり腹式呼吸」

緊張が続くと呼吸が浅くなるため、ゆっくり息を吐く時間を長く取ります。みぞおちがゆるむと自律神経が安定しやすくなります。

3. 足首を温める「下半身の巡りケア」

冬の不調は下半身の冷えから強く影響します。レッグウォーマーなどで足首を温めると、全身の力みが抜けやすくなります。

4. 1日の終わりに「胸を広げる伸び」

胸が縮むと呼吸と血流が悪くなります。寝る前に胸をゆっくり開くストレッチを行うと、眠りやすくなります。

まとめ:冬は“無意識の緊張”をためないことが健康維持のカギ

冬の不調は、冷えや気温差だけでなく、身体が無意識にためてしまう深い緊張が大きく影響しています。

AST気功の視点では、身体の連動性が崩れることで、脳や自律神経まで負荷がかかると考えます。

日常生活でできる「緊張をためない習慣」を取り入れながら、必要に応じて身体全体のバランスを専門的に整えていくことで、冬の不調は大きく改善が期待できます。

本格的な寒さに備え、今日から少しずつ身体の緊張をゆるめていきましょう。